スキムボード初心者にとって最初の壁、「乗り込み」の練習方法を説明する。 スキムワンの初心者スクールで使っているノウハウだ。

スキムボードの乗り込みは、自ら持ったボードに走ってきた勢いのまま飛び乗るという普通の人生を送ってきた人には縁の無い、ちょっとした曲芸のような動作だ。そのため最初は何をどうすれば良いか分からず多くの人が戸惑うが正しい練習方法で始めればさほど難しいことは無いので安心してチャレンジしてみよう。
なお、ここでは乗り込みの方法として一番メジャーな「後ろ足乗り」を説明する。

■乗り込みのお手本

まずは後ろ足乗りでの乗り込みの完成形を見てみよう。 乗り込みは一瞬で行われ、何をどうやっているかなかなか理解できないかも知れないが順を追って練習すれば大丈夫だ。
【注意】この動画のライディングは初心者レベルとしては走るスピードがやや速め。初めてスキムボードをやる場合は、助走無しの乗り込みから始めよう。

 

■乗り込みの練習方法

乗り込みの時の動作を順番に説明すると、

(1)ボードを持って走る、

(2)ボードを足元に落とす、

(3)ボードに乗る、
の3つの動作を連続で行う。

この中でも(2)ボードを足元に落とす、と、(3)ボードに乗る、は短時間にスムースに行わなけばならないので難しい。慌てたり考えすぎると頭が混乱してどちらの足から乗り込めば良いのか分からなくなる事も多い。

これは走りながら、ボードを落とす、とか、そのボードに乗り込む、とかいままで経験したことの無い複数の動作をいきなりやろうという事なので混乱するのも無理はない。

そこでこれらの動作を分解して練習し、それぞれの動きを体と頭に理解させ覚えさせれば良い。まずは水の上ではなく陸トレから始める。陸トレで、「ボードを落とす練習」、「ボードに乗り込む練習」に分けて練習し体に覚えさせる事から始めるのがスキムボード上達の近道だ。 この方法はスキムワンのスクールで実際に行っている練習方法でもある。

■ボードを落とす(ドロップ)

まず最初に、波が来ない場所でボードを落とす動作のみを練習する。ボードを落とすことを「ドロップ」ということもあるので覚えておこう。

基本:
利き足を後ろにして前後に足を開く。軽く1歩分くらいの幅で。
膝を少し曲げやや低い姿勢をとる。
ボードの持ち方は画像のように一番後ろの部分と中央付近を持つのが基本だ。しかし子供や女性など小柄でボードが持ちにくい場合は後ろ側の手を少し前寄りにしても良い。ボードの落とし方:
前足の斜め前にボードのテールが来るように落とす。(体の真横ではない)
ボードが着地後に数十センチ直進する程度の力で押し出す。(力は強すぎてはいけない)ポイント1:
ボードが水平に着地するように落とす。着地のタイミングでボードが前後左右に傾いていないこと。ポイント2:
着地後にボードが左右に回転しないように真っすぐに落とす事。失敗例: 下の画像のようにならないよう注意しよう。

■乗り込み(オンボード)

波が来ない場所にボードを置き、乗り込み動作のみを練習する。ボードに乗り込みのことを「オンボード」ということもあるので覚えておこう。
基本:
やや低い姿勢で数歩走る。
ボードに乗ってからは膝を曲げさらに低い姿勢をキープ。
頭、上半身を前に向ける。
ポイント1:
乗り込み後は膝を曲げ低い姿勢をキープする。
乗り込んだ勢いでボードが少しでも前に滑ると良い。

乗り込みの良い例

ポイント2:
ボードの横から乗らない。滑る方向を意識して出来るだけボードの真後ろから乗り込む。

ポイント3:
足はボードの中心線に乗っている事。

乗り込みの悪い例

 

■陸トレ通し練習

ボードを落とし乗り込むところまでを通しで練習してみよう。
通しでやっても乗り込みのポイント1~3が出来ている事を確認しよう。

 

 

 

 

 

■水上練習

ここまでの陸上トレーニングが体になじんできたら水の上で試してみよう。

注意点: 乗り方にもよるが、水の上では想像以上によく滑る。何も考えずに乗ると足だけ前に進んで後方に転ぶことが多いので注意しよう。
⇒対策:前重心になるように心がける。 膝を曲げ出来るだけ低重心にする。(低重心なら転んだ時のダメージも少ない)

■ボードの滑りと波のタイミングを知る

まずはボードだけ押し出してどれくらい滑るのか感じよう。
ボードをよく滑らせるには水の量が多すぎても少なく過ぎてもうまく滑らない
水が2-3cmくらい、水たまりくらいの深さの所を滑らせるとよく滑るのだが、波打ち際では波が寄せて返すを繰り返しているので水の深さは常に変化している。タイミングを見計らってボードを押し出そう。
ベストなタイミングは初心者と上級者では異なるのだが、初心者は寄せてきた波が折り返す波のピークから3秒くらい待つとだいたい丁度よい水深になる(浜辺の角度や波の状況にもよるが)。

■助走なしでボードに乗る

いよいよボードを使って水の上をすべる練習だ。
ここからイッキに転倒リスクが高くなる。低姿勢をキープし転倒によるケガを防ごう。
うまくボードに乗れない時はここまで練習した陸トレに戻って練習しよう。

ポイント1:波を待つ場所
寄せてきた波が折り返す位置で波を待とう。波の大きさによって折り返す位置は変わるので、それに合わせて立ち位置も変えよう。
ポイント2:波が来たらボード構えよう
波が近づいてきたらボードを持ち、膝を曲げて姿勢を低く構えよう。
ポイント3:ボードを押し出すタイミング
波が折り返してから三つ数えてボードをそっと押し出そう。ボードを強く押し出すと追いかけるのが大変、しかしあまりに弱すぎるとボードが止まってしまうので力加減に注意しよう。
ポイント4:ボードに乗る
ボードを押し出したらすぐにボードを追いかけ、後ろ足から乗る。姿勢は常に低めに、慣れるまでは安全のため徹底的に低姿勢をキープしよう。

■助走をつけてボードに乗る

助走なしの乗り込みに慣れてきたら助走をつけてボードに乗ってみよう。 最初の助走は歩くくらいのスピードから始めよう。

ポイント1:波を待つ場所
助走なしの時に待っていた場所、つまり波が折り返す所から助走の分だけ後ろで波を待つ。最初の助走は2-3歩くらいから始めよう。
ポイント2:助走はゆっくり、少しずつスピードアップ
助走のスピードは最初は歩く速さくらいから、慣れてきたら徐々にスピードアップしよう。
ポイント3:走る角度を変えてみよう
ここまでは浜辺の傾斜に合わせ波に真っすぐに向かってきたが、慣れてきたら斜め方向にも乗ってみよう。浜辺を広く使えるので長い距離を滑れるようになるぞ。

■姿勢の話

スキムボード初心者のみなさんには常にヒザを曲げ姿勢を低くすることを強くお勧めする
これは転倒した際の衝撃を最小限にするためだ。 物が地面に落ちるとき、高いところより低いところから落ちた方が衝撃が弱いことに説明は不要だろう。 人が転倒した時は物が落ちるときほど単純な運動ではないが低いほうがエネルギーが低く、衝撃が弱くなることには変わりがない。

また、不安定なシーンでバランスを取る場合もヒザを曲げた状態のほうが有利だ。 ヒザが伸びきった状態だと足首と腰回りの関節の動きだけでバランスを取ることになり調整幅が小さい。 ヒザを適度に曲げていれば足首と腰回りに加えヒザの動きでバランスを取れるのでバランスの調整幅が広がり転倒しにくくなる。

■まとめ

どうだろう、皆さんにも出来そうだろうか? ここで説明したことを順番に行えば必ず出来る。
慣れるまでは、とにかく”ゆっくり低姿勢”を守ってやると安全だ。 それと自分の安全だけでなく進む方向に人がいない事も十分確認して練習しよう。

スキムワンでの初心者スクールもここの説明とほぼ同じなので、ここの説明を読んでスキムボードの乗り込みをイメージできる人はスクールを受ける必要はない。 説明を読んでもイマイチよく分からない人やそもそも読むのが面倒と言う方はぜひスクールを申し込んでほしい。ほとんどの方が、1時間半のスクールで助走なしの乗り込みをクリアできるはずだ。


スキムワンのスキムボードスクール