スキムボード初心者 5ステップ

スキムボード初心者から上級者への5ステップ

スキムボードに興味を持ったアナタ、やってみたいと思ったアナタ、今回はそういった方達に向けた記事です。 もしスキムボードを始めたとして、なにから始めたらいいんだろう? どれぐらい練習すれば上手くなる? なんて疑問にお答えします。

■スキムボード初心者から上級者への5ステップ

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海でやっている姿を見かけたりネット動画などで ”スキムボード”というスポーツをなんとなく知ったけどどんな練習から始めるのだろうか? 例えば水泳ならバタ足から、スキーならボーゲンから、スケボーならプッシュからって相場は決まっている。 それじゃあスキムボードは何から始めるのだろう? それは。。。

 

記事内の「一応それっぽくなるまでの期間」は、標準的な運動神経の人が週1~2回練習した場合に、”一応”出来るようになるまでの標準的な期間の目安を示す。完全なものにするにはさらに何倍もの期間が必要。

■ステップ1 スキムボードは「乗り込み」から!

一応それっぽくなるまでの期間: 1日~3日
スキムボードはボードを持って走り、そのボードを落としたところへ飛び乗るのが最大の特徴。この一連の動作を「乗り込み」と呼ぶ。 上級者たちは”走る”、”落とす”、”乗る”と言う異なる動作を全速力で走りながらスムースに一瞬で行う。上級者レベルの乗り込みを行なえるようになるには長い時間をかけて体に動きをしみ込ませる必要があるが、初心者レベルの低速での乗り込みであれば1日程度でも習得可能だ。
乗り込みには人それぞれにスタイルがあり、大きく分けると「後ろ足乗り」、「前足乗り」、「ハンドプラント」の3種類の乗り込み方法に分類できる。一番代表的なスタイルは「後ろ足乗り」でその名のとおり後ろ足からボードに乗る方法だ。「前足乗り」もその名の通り前足から乗り込むスタイル。「ハンドプラント」はボードを両手で持ちボードが砂に着くギリギリまで手を離さないスタイルだ。 ※ハンドプラントはモンキークロールとかホールドとも呼ばれてます。

より詳しい乗り込み解説は。。。
あんぜん・かんたん・スキムボード 乗り込みの練習方法 超解説(後ろ足乗り編)

■ステップ2 すぐ出来て、すでに楽しい「ビーチスライド」

一応それっぽくなるまでの期間: 1日~3日
ビーチスライドというのは乗り込んだ後にそのままスーッと水の薄いところを滑っていくこと。乗り込みした後にバランスをキープすればそのままビーチスライドに移行するので、あえて「ビーチスライドするぞ!」と意気込んでやるようなものではない。 しかし、日常では感じることの無い、地面との摩擦から解放されどこまでも滑れそうな感覚は新鮮で気持ち良い。最初のうちはこれだけでも十分に楽しいと思うはずだ。 全速力で乗り込み出来るようになればビーチの状態にもよるが20m以上滑走することも不可能ではない。 また滑走中にショービットやオーリーあるいはジブなどスケボ・スノボ系の技を行うこともあり、これに特化した「フラットランドスキム」というスキムボードの新たなジャンルも人気上昇中だ。

■ステップ3 波の力を利用して「スピードラン」

一応それっぽくなるまでの期間: 3ヶ月~1年
波の力を利用して加速しつつ大きな弧を描いてターンする技が「スピードラン」だ。 ターンの一種だがサーフィンのような三角波を利用するのとは異なり、三角波が崩れた後の薄く伸びてくる波の力を利用するのがスピードランだ。 波の高さがほとんどないのでライディングでの上下動が少なく、ターンの初期の練習に最適だ。 ターン練習の通過点ではあるがしっかりと加速するようなスピードランを極めるのは意外と難しい。いわゆるターンが出来る中上級者でもこのスピードランを完全には習得出来ていない人が多い。

■ステップ4 ここまで来たら中級レベル、「ターン」

一応それっぽくなるまでの期間: 6ヶ月~3年
いわゆる「ターン」だ。 スピードランとの大きな違いは、波の高さを利用した3次元的な動きとなるためボードコントロールの難易度が大幅に上がる。上手くターンが決まった時に得られる加速感はスピードランとは段違いで快感と言ってもいいだろう。 ターン方法はサーフィンと大きくは変わらないのだがスキムボードではフィンが装備されていないのでボードを強く踏み込んで波を深くえぐるようにコントロールする必要がある。また、スキムボードでのターンは波が立ち上がるタイミングに完全に一致するように波を到達する必要があり、走り出すタイミングをつかむのが非常に難しい

■ステップ5 上級者の証、これがスキムだ!「ラップ」

一応それっぽくなるまでの期間: 2年以上
友情や社会への不満をリズムに乗せるRAPではなく、波を包み込むような軌道を描くターンをラップ(wrap)と呼ぶ。ラップもターンの一種ではあるのだが、通常よりずっと深く回すターンの事で進入角に対して180度以上の方向転換となるようなトップターンを特別に「ラップ」と呼んでいる
※トップターン: 波の上部で行うターンのこと

ラップを行うには軌道を描ける十分なスペースがある大きな波を選び、波が完全に崩れる前にターンを完了する必要がある。成功させるには、波のタイミングを見切る能力、大きな波に素早く到達する脚力、強力な波の力を受けながら正確にボードをコントロールする技術、これらが全て必要だ。 波が崩れるぎりぎりのタイミングでターンをするためチューブライドに持ち込めることが多いのも大きな魅力だ。 ダイナミックなラップが出来るかどうかが上級者と中級者の分かれ目と言える。 ラップが描く軌道はサーフィンではあまり見ることは無く、スキムボード独特のターンと言っても過言ではない特別なライディングだ。

■バリエーション

スキムボードの上級者への道のりは大筋では上記の5ステップで完成するが、当然これだけではなく多くのバリエーションや技(トリック)が存在する。

ターンにはフロントサイドターンとバックサイドターンがあり、これは波に対して体の前面を向けるのがフロントサイド、背を向けるのがバックサイドである。 結局のところ波に向かって左に行くか右に行くかと言う違いだけなのだが、スキムボードの場合はフロントサイドの方が圧倒的に難しい。フロントサイドでのトップターン(波の上部でのターン)はかかとを使ってボードをコントロールするのだが、 かかとは足首の関節に位置的に近すぎて、つま先側と比べると繊細なボード操作が難しい事がその要因のひとつだ。

スキムボードは足が固定されていないのでスケートボードのようなショービット系やスピン系のトリックも可能だ。キックフリップ※の成功例さえもある。 またジャンプ系ではフラットな水面でオーリーしたり波をエア台に見立てて高さのあるエアターンも出来る。もちろん練習しだいではあるが。
※キックフリップ: スケートボードのトリック。 ジャンプ中にボードをロールさせる。 スケボーよりボードのサイズが大きいスキムボードでは超高難易度の技。

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スキムボードはステップ2のビーチスライドまでならすぐ出来るようになる。 実際、ショップ「スキムワン」のスクールでは1回のスクール受講だけでビーチスライドが出来るようになった人が大多数を占めている。

初心者でも短期間で楽しめるようになれる敷居の低さがスキムボードの良いところだ。 それでいて、基本的なライディングと多彩なトリックの組み合わせは無限大でスキムボードの世界はかなり奥が深い。 走って飛んで回って自分だけの技を磨こう。 スキムボードはチャレンジし続ける気持ちさえあれば、どこまでも進化できるスポーツだ。 自由なスタイルでスキムボードを楽しんでほしい。


スキムワンのスキムボードスクール