このページではスキムボードの構造や素材について説明します。
構造や素材を知ってい自分に合ったボード選びにお役立てください。
スキムボードは小柄で薄いボードを手に持ち、浜辺から波に向かって走った勢いで波乗りしたり、エア技を楽しんだりするマリンスポーツです。
スキムボードは大きく分けて木製とグラスファイバー製の2種類に分けられます。
木製は安価な初心者用かフラットランド用です。固い合板で作られた木製スキムボードは非常に重いですがとても丈夫であることが特徴です。
グラスファイバー製は木製よりかなり軽く浮力もあるので、波を利用したターンやトリックを行うスタイルのスキムボードに最適です。
※木製ボードを「ウッドボード」、グラスファイバー製ボードを「フォームボード」 と呼ぶことが多いです。
ここでは一般的なスキムボードで主流であるグラスファイバー製のスキムボードについて説明します。
■構造
中心部(コア)に発泡スチロールのような(でももっと丈夫な)フォーム素材があり、外側にグラスファイバーやカーボンファイバーを巻き、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂で固められています。
■コア
「コア」はボードの中心部のパーツであり、ボードを形作っている材料のことです。ほとんどのスキムボードではPVCフォームかポリウレタン(PU)フォームと言う素材が使用されています。ごくまれにEPS(発泡スチロール)を使用いるスキムボードもありますが初心者用として考えても強度不足の場合が多いようです。
PVCフォーム:ほとんどの上級者モデルで採用されている。軽く丈夫な素材。
ポリウレタンフォーム: 初心者用モデルで使用されていることが多い。安いがやや強度が劣る。
■クロス
クロスとは布の事なのですが、スキムボードで言うクロスはグラスファイバーやカーボンファイバーで作られた布を指します。それらはガラスクロス、カーボンクロスと呼ばれています。 クロスはレジンで固めることでとても丈夫なパーツとなります。
■レジン
レジン(樹脂)とはクロスに浸透させ固める接着剤の一種です。スキムボードではエポキシ、ビニルエステル※、ポリエステルのいづれかが使われています。基本的に高価なものほど丈夫で、エポキシ>ビニルエステル>ポリエステルの順で丈夫なボードに仕上がります。
※ビニルエステルは「エポキシアクリレート」とも呼ばれますが、スキムワンではエポキシとの混同を避けるため「ビニルエステル」で呼称を統一しています。
■カーボンボード: カーボンクロスを使用したボードを俗にカーボンボードと呼んでいます。カーボンクロスを使用するとボードのたわみが少なく滑走ロスの少ないボードに仕上がります。遠くの波にも届きやすいボードです。高価であることを除けばどのレベルの方にもお勧め出来る高性能ボードです。
■サーフボードとの違い
サーフボードとスキムボードは大きさは異なりますが内部に軽量なフォーム材を使用しクロスとレジンで外側を固めるという基本構造はスキムボードもサーフボードも同じです。ですが、ボードに飛び乗り波のパワーが集中しているショアブレークに突っ込んでいくスキムボードではサーフボードよりも頑丈さが必要なため、素材や製法が少し異なります。
・使用するクロス
サーフボードでは1枚または2枚重ねで使用することが多い。スキムボードは3枚重ねが標準。
サーフボードではカーボンを使用するのはやや特殊なボードのみ。スキムボードでは上級者向けでは標準。
・使用するコア
サーフボードではポリウレタンかEPS。
スキムボードではPVCが標準、初心者用ではポリウレタンが使用されることが多い。EPSは弱すぎて通常は使用しない。
・使用するレジン
サーフボードではポリエステルが標準。EPSボードの場合はポリエステルでは溶けてしまうためエポキシを使用する。
スキムボードでは初心者用ではポリエステルが多いが、中上級者向けではより丈夫なビニルエステルやエポキシが標準。
・製造方法
サーフボードでは形を整えたコアにクロスを巻いてレジンで固める。
スキムボードでは形を整えたコアにクロスを巻いてレジンで固める、ここまでは同じだがレジンを固める際に「バキュームバッグ製法」を用いる。バキュームバッグ製法は専用の袋にボードを入れポンプで袋の中を真空状態にする製法。軽く丈夫なボードに仕上がる。
・その他の違い
フィン、コンケーブ、ストリンガー、これらはサーフボードには有ってスキムボードには無いものです(一部のスキムボードではコンケーブやストリンガーを採用した例もありますが一般的ではありません)。